高杉さん家のおべんとう

地理学の博士号を持つ高杉温巳31歳。
研究機関、大学教員公募に落ち続け、一般企業にも就職できなかったオーバードクター。

そんな彼はある日、事故で亡くなった叔母・美哉の遺言で久留里の未成年後見人になる。
温巳にとって美哉はある意味母親がわりだった人であり、近所でも評判の美人だった。
そんな美哉の娘の久留里も、もれなく美少女なわけですね。ちなみに12歳の中学生です。

ほぼフリーターの高杉温巳と無口で人見知りの激しい久留里の同居生活の始まり。
そんな漫画です。

上記のあらすじだとエロゲ的な展開があるように思える漫画ですけど、違います。

温己は、思春期真っ盛りの無口美少女と同居する事になるんですが
その生活に四苦八苦するんですね。
特に会話も続かないし、話題もない二人。

そんな二人の救世主が「お弁当」なのです。

久留里の通う中学校は給食がないので弁当持参なんですね。
そこでお弁当作りを通じてだんだんと心を開いていき、家庭を作っていくような漫画です。
おおすじはこんな感じだと思います。

久留里との生活の中でお弁当を作って保護者感を満足させる温己。
「弁当作りは不思議な時間。今食べるわけじゃない食事を作る。
どこにいてどんな状態か思いを巡らせ整える。ほんの少し未来をしつらえる作業なのだ」
とか語ってます。

そして自分で人としてずいぶん豊かになれた気がすると言っている通り
一人の人間として成長していく温己。

お弁当の漫画なんですけど、温己は地理学の博士号を持っているので、
地理による食べ物の違いだったり、養蜂の話だったりと「地理学とお弁当」の漫画です。

色々な場所へ行き、毎日相手の事を考えて献立を考えて同じお弁当を作り、同じ物を食べる。
お弁当はとてもとても良いものだと実感できる漫画ですね。

話が進むごとに久留里が異様に可愛くなってきます。最初から可愛いですけどね。
最初はコミュ障レベルの久留里。徐々に言葉数も増えて表情も柔らかくなっていく。
言葉数増えても余計な事は離さないタイプですね。
以前は一人きりだった久留里の周りにも人だかりが出来るようになってたりすんです。

温己も名前も読んでもらえなっかたのに呼ばれるようになります。徐々に心開いてきたんですね。
ついにはケンカできる仲にまで発展しました。いい事です。

恋愛面でも見逃せない漫画です。
イトコ同士なら結婚出来ると知り赤面して嬉しそうな表情をする久留里。
まぁ、ぶっちゃけますと温己と久留里は血縁関係ありません。

そして久留里に恋する、クラスの人気者男子の丸宮光。
おかげで久留里がイジメられます。
イジメといっても欝にならない感じです。

そして温己に恋する研究員のちょいとセレブな小坂さん。
その小坂さんに恋する丸宮光の兄の丸宮元・大学生。
温己を敵対視しています。
そんな小坂さんにフラグが立ってると気づかない温己。

と、この用に人間関係が面白いです。
恋愛面以外でも人との繋がりが面白い漫画だと思います。

結局何が言いたいかというと久留里に激萌えるって事です。
笑顔の破壊力とか半端じゃないですね。

とてもハートフルな漫画なので万人にオススメです。
絵柄も作品の雰囲気にとてもマッチしてると思います。

要は「おトク」と「安い」は同義ではないの事を考えるのも地理学らしいです。